キタダケソウ【北岳草】  

 2010年7月4日-5日


                                                           
 2010/07/07


キタダケソウに会いたくて南アルプスの「北岳」に登ってきました。

北岳に登るのは3回目、キタダケソウ咲くこの季節に訪れるのはちょうど10年振りとなります。

この5月、キタダケソウの近縁に当たるヒダカソウに会いたくて、はるばる北海道のアポイ岳まで出かけました。

私が訪れた5月中旬は春から続いた寒さの影響で、花々の開花はかなり遅れていました。

その後、季節が進んでも今年はヒダカソウの開花は全くなかったようです。

ヒダカソウが年々衰退していく原因については、専門家の方々が様々な角度から研究されているようですが、

盗掘だけが原因ではなく、もっと根深いものがあるようです。

南アルプスの北岳にのみ自生するキタダケソウも、近年、高山にまで押し寄せる鹿によって、その植生が危うくなっていると聞きました。

そのため、今年は高山植物を鹿から守るため、防護ネットを設置するとの記事を読み、複雑な心境です。

鹿に責任はないのだけれど、増えすぎた鹿がこんな高山にまで押し寄せて貴重な高山植物を

食い荒らすことになるとは…防護ネットのほかに何か手はないものでしょうか?

微妙なバランスの上でかろうじて生き残ったキタダケソウが、ヒダカソウと、同じ運命を辿ることがないようにと願うばかりです。

さて、翌、5日は朝から明るい日差しが降り注ぎ、

これから会えるキタダケソウがどんな様子で迎えてくれるか逸る気持ちを抑えることができません。

ところが、山頂に着くなり突然真っ黒い雲が湧き出しついに雨がパラパラと落ちてきました。

自生地に着くまで、なんとか大雨にならないでほしいと願いつつ、先を急ぎました。

自生地へ下る途中で雨は上がり、今度は青空がのぞいてきました。山の天気は気まぐれですね!!

                                 
       ☆クリックで拡大画像がご覧いただけます。

願いが叶い、天気は回復、再びお日様が顔を出してくれました。



先ほど降った雨によってキタダケソウはいっそう瑞々しさを増しています。



会えて良かった…



美し過ぎて、何度もため息が出ます!!



お天気になり、虫たちも活発に動き始めました。

虫くんにはいっぱい働いていただき、来年も綺麗な花を咲かせてほしいものです!!



トラバース道で、念願だった間ノ岳をバックに撮影できました。

ここで何枚撮ったことでしょう!!夢にまで見たこのアングル、腕が伴っていないのが残念ですが、とても幸せなひとときでした。


トラバースルートは通行止めとなっていて、分岐から5〜6分しか進むことができませんでした。
この先にもあるだろうキタダケソウの群落を考えると少し残念ですが、
お天気も味方に付け、思った以上に綺麗な状態のキタダケソウに出会えたことに感謝しながら
北岳山頂へと引き返しました。


私たちが行った7月5日は、幸いというか、まだネットは張られていませんでした。

この天空の花園に鹿クンが足を踏み込むのは遠慮してもらいたいものです。




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